書評〜定年バカ(ソフトバンク新書)
この本の言いたいことを 一言で言ってしまえば、
定年後をどう生きるかは人それぞれであり、 やれ定年後も働けだの、充実した趣味を 持てだの、資産運用をしなさい、 終活をしなさいだのを押し付けるのは 大きなお世話であり、生きたいように 生きればいいのであるということ。
自己実現をしたり、趣味に生きたり、 第二の仕事で充実したりしているのも それは好きにしているのである。
もちろん破れかぶれ、破滅型人生を薦めているわけではない。
そして何もしない定年後があってもいいし、実際私もテレビを見たり、読書をしたり しているだけであると書いている。
人生を楽しまなきゃいけない病、 定年後を楽しまなきゃいけない病、 生き方を「押しつけている』数多ある定年本を俎上にあげ、各章で〜バカとして 批判的に取り上げ、著書の意見 (好きにするしかない)と述べている。
また、(定年)本のからくりとして、こうすればこうなりますよと希望を持てるような一般論を書くしかないのだろうとも述べている。
ただ誰もが平均ではないのである。 ハウツー本批判。
ただそんな著者でも住居費用だけは 残っていなかったので助かった。 住宅ローンの繰上げ返済をしたと述べている。
埼玉に一戸建てを建てたようだ。 唯一ハウツーと言えるところ笑
持ち家でロ-ンが無いのが好きに生きる 最低の条件、そうでなければ働くしか無いと も述べている。
賞も取ったり、かなり沢山本を書いている著者なので、 文章を書いたり、自己実現をしているのでは?その収入があるのでは?と思ってしまう部分もある。あえて偽悪的に書いてもいる。
本当に孤独、お金がないなど、厳しい現実を生きている人は この本では対象ではない (著者もそれを認めている)。
そこそこのお金、その他コミュニケーション の余裕がある方向けでもある。 その上でやることがたいしてなくても、 うら寂しくても、多少孤独でも、 生きていくしかないということ。
目的→目標を持って生きることを今年 の始めからやってきたが、 この本はいい息抜きになった。 とかく、なにかをしなければいけない病 (そういう方は多いのでは) になる私にとって、それなりに家族と幸せに生きて、仕事もある程度して、 人生を終えられれば、それもありかもと 思える。ガス抜きである。
でも障害者雇用コンサルタントはやるけどね。 その上で家族とゆっくりしたり、 何もしない時間も大事にしたい。
1日1日を生きるしかない。考えるのは5年先程度で充分。平均寿命まで考えでも仕方ない。 何万時間が1度にくるわけではない。とも著者は述べている。 私の尊敬する先生の言葉を借りれば、 そのままでいいんだよ本である。